彩のクリニック
 
3. 高血圧治療


 高血圧の治療は血圧を下げることだけを目標にしがちですが、最近ではその下げ方に工夫が必要だということが、高血圧症研究の専門家の間で議論され始めました。高血圧症で問題になるのは、高血圧が最終的に脳卒中などの脳血管の病気、心筋梗塞などの心臓病を起こす恐れがあるということです。これらの病気は、それぞれ死に至る恐れのある病気ですから、「高血圧になったら、血圧を下げなければならない」ということがいわれたのです。ところが、最近では、高血圧を下げることばかりに眼が行って、脳卒中や心臓病を予防するという観点からの血圧の下げ方ということが重要視されなくなってしまったというわけです。
 しかし、これまでの高血圧治療が明らかな効果をもたらしてきたことは事実です。それは、この25年間での日本人の脳卒中による死亡率の変化を見るとよくわかります。脳卒中による死亡率は25年前の4分の1にまで減ってしまったのです。とにかく血圧を下げるという高血圧治療法は、脳卒中には効果があったといえるでしょう。
 これに比べて、心臓病での死亡率は、脳卒中ほどには効果をあげていません。心臓病による死亡率も減りつつはあるのですが、脳卒中ほどには明確ではないのです。そこで高血圧症治療の専門家が考え始めたのが、血圧の下げ方に問題があったのではないかということです。従来は、高血圧症の患者に対して、「切れ味の鋭い降圧薬を処分して、とにかく正常値の範囲にまで早く下げる」ということが大切と考えられていましたが、最近の考え方では、「ゆっくりとマイルドに血圧を下げる」という考え方が定着し始めました。「2〜3ヵ月をかけて、ゆっくりと目標値まで下げるようにする。そうすれば、心臓などの臓器にも悪い影響が出てこない」というのです。
 こうしたことから、最近では降圧薬の選択にも変化が出てきています。高血圧の患者さんは、あまり急いで血圧を下げようと考えず、主治医と相談しながら、降圧薬を選んでもらい、目標値を設定し、その目標に向かって徐々に下げていくことを考えるべきでしょう。
 彩のクリニックでは、ゆっくりとした降圧治療を心がけるとともに、運動治療や栄養指導なども積極的に行っています。薬を飲みたくない方や、薬だけに頼りたくないとお考えの方もどうぞ一度ご相談下さい。

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